ピアノの教材は、導入〜初級においては先生によって扱うものが大幅に異なりますが、ブルグミュラー25の練習曲集以降、絶対に触れておきたい重要な曲は決まって来るため、そこを軸にして、大まかな流れは似通って来ます。
ソナチネ→古典派ソナタ→ショパンやドイツロマン派楽曲を経て、その間に平行してバロック音楽と、簡単なフランス作品や東欧、場合によってはスペイン音楽なども取り入れつつ、ようやく本格的なフランス音楽やロシア音楽へ入る、といった順序がオーソドックスな流れでしょうか。
この流れで初めてドビュッシーを弾く時、それまでのドイツロマン派にはなかった全く別の、ドビュッシーの和声法による色彩感覚が必要になって来ます。
表現においても、ロマン派の深い感情表現とは異なる、長調短調の枠をこえたドビュッシー独特の雰囲気を醸し出す、といったセンスを身につけたいものです。
ドビュッシーの雰囲気に対するイメージはあるのだけど、どう音を出したら良いのかわからない、、という生徒さんに、おすすめしている練習方法を1つ、パリのコンセルヴァトワールの教授陣が生徒達に実践させている方法をご紹介します。
ペダルをしっかり踏み込んでから、途中でペダルを一切変えることなくスケールを弾きます。
重いタッチでそれを行うと、もちろん音が濁って濁って仕方ない。
それが耳障りの良い濁りになるまで、徐々にタッチを軽くして行きます。
頼りになるのは自分の耳。
指の使い方の理屈は後回しで良いので、とにかく音を聴くこと。
淡い響きになって行くかどうか、耳でしっかり音を聴きながらコントロールします。
最初はゆっくりと、美しい響きを出せるようになって来たら、少しずつ速くして行きます。
水面を渡るような軽さと速さにまで持って行けたらブラボーです。
ペダリングも、やはりそれまでの方法からさらにバージョンアップさせて行く必要がありますが、まずは試しに1つ、上記を行ってみて下さい。
音色の変化を楽しんで!