上級の大人の生徒さんからの質問。
「音符の上線・下線がたくさんになると、すごく譜読みしづらいんです。上線・下線は何本くらいまでパッと見てすぐに読めるようにした方がいいですか?」
おっしゃる通りで、上線・下線が増えれば増えるほど、読みづらいですよね。
あまりに線が多いと、線が何本あるのか数えないと間違えてしまいますし、洋版の楽譜は音符が小さくて紙質が悪いものも多いので、そうなるとますます読みづらくなります。
私は、上級者であれば、上線・下線共に3〜4本まではパッと見て読めるようにしておくと良いと思っています。
すごく目の良い人でも、上線・下線が5本以上になってくると数えて確認したくなるでしょうし、そもそもピアノ曲の譜面上に5本以上の上下線はあまり出てきません。
上下線が5本以上のものが出てきた場合は、その時に確認すれば良く、そしてその音をメロディーの流れなどで即覚えてしまえば良いと思います。
臨時記号に関しても言えることですが、イレギュラーなものが出てくると、「うわ、読みづらい!」と嫌ってしまいがちですよね。
しかし、私は生徒さん達にむしろ反対に捉えるように話しています。
イレギュラーなものというのはその他大勢とは違う、つまり目立っているので、その分印象に残りやすいはずです。
一見読みにくいものはその分覚えやすい、と少し視点を変えると、上下線がたくさんでも臨時記号が出て来ても、抵抗が無くなってきます。
上線・下線は、楽譜に出て来る割合を考えると、線が一本増えるごとに、
ト音記号の上線は《ラ・ド・ミ・ソ》、下線は《ド・ラ・ファ》
ヘ音記号の上線は《ド・ミ・ソ》、下線は《ミ・ド・ラ・ファ》
これだけ覚えておけばじゅうぶんではないでしょうか。
14個も多いなぁ、と思われる方、いえいえ、覚えるのは4セットだけです。
ここでのポイントは、《ラとドとミとソ》、と一つずつ覚えるのではなく、《ラドミソ》とかたまりでセットにして覚えてしまうことです。
是非トライしてみて下さい。